診療案内

頭痛外来

日本人の約25%
悩ませる頭痛

「私はもともと頭痛持ちだからこんなもんでしょう」
「病院に行くほどでもないな」
「頭痛で病院にいってもいいものかしら?」

とあきらめてはいませんか?

頭痛はひどくなると、仕事や家事など生活に支障をきたす場合もあります。
1年間で150万円程度の経済損益であるといわれております。

頭痛にはさまざまな原因がありますが、当クリニックではあなたの頭痛が「命に関わる緊急性のある頭痛」か「そうでない一般的なよくある頭痛か」をしっかりと見極めさせていただきます。

緊急性のない一般的な頭痛にも色々な種類があり、正確な診断をした上で治療を進めないと、なかなか改善しないということもあります。あなたの頭痛が「どういった種類の頭痛なのか」をしっかりと見極めさせていただき、しっかり治療をしていきましょう。

このような頭痛でお悩みの方

以下のような痛みや違和感がある場合は、
頭痛外来を受診してみましょう

  • 突然起こる激しい頭痛
  • 毎日続くズキズキするような頭痛
  • 吐き気を伴う頭痛
  • 鎮痛剤を飲んでも治らない頭痛
  • 頭がしめつけられるような頭痛
  • 頭が重たいように感じる(頭重感)
  • 頚が張ったように感じる
  • 肩こりがある

痛の種類

片頭痛

日本人の約10%全国840万人の方(15歳以下も含めると1000万人程度)が片頭痛と言われております。
20代から40代の女性に多く見られ、「ストレス」「睡眠不足」「天候の変化」「光や音、匂い」などが頭痛を誘発する因子として挙げられています。また階段の昇降など日常的な運動により頭痛が増強することも特徴のひとつです。

片頭痛の前兆は、頭痛より前に起こる症状のことです。キラキラした光、ギザギザの光(閃輝暗点)などの視覚性前兆が最も多くみられます。通常は60分以内に前兆が終わり、引き続いて頭痛が始まります。漠然とした頭痛の予感や、眠気、気分の変調などは前兆と区別して予兆といいます。

片頭痛発作はズキンズキンと脈打つような痛みが特徴で、通常4~72時間続き、痛みは頭の片側に見られますが両側に起こることもあります。頭痛の程度は中等度~高度で日常生活に支障をきたします。さらにひどくなると悪心(吐き気)、嘔吐を伴うことが多く、頭痛発作中は感覚過敏となって、ふだんは気にならないような光、音、においを不快に感じる方もいます。


群発頭痛

群発頭痛は20-40代の男性に多い頭痛で、比較的稀な頭痛ですが「片目をえぐられるような痛み」「アイスピックで突き刺されるような」と表現されるような、激しい痛みが起こります。片側の目の奥がひどく痛み、同じ側の目や鼻に、涙や鼻水などの症状が出る場合もあります。片頭痛とは異なり耐え難い痛みでじっとしていられず、動きまわってしまうことも特徴といわれています。痛みが非常に強いため日常生活への影響もとても大きい病気です。数ヶ月から数年ごとに頭痛が出現し、一度頭痛が出だすと、毎日15分から3時間程度激烈な頭痛が1-2ヶ月の間続き(この期間のことを群発期とよびます)、そこをすぎるとまた数ヶ月から数年痛みが出ない時期が続きます(この期間のことを寛解期とよびます)。夜間に発生することが多く、痛みのために目が覚めてしまうこともあります。


緊張型頭痛

ギューッと頭が締め付けられるような痛みが特徴で、痛みは頭の両側に見られることが多いです。寝込んでしまうほどの激しい頭痛であることは稀ですが、多くは我慢できないほどではないのが普通です。数時間~数日の頭痛が反復性におこる場合と、持続的に毎日のように続く場合があります。また首や肩のこりを伴うこともあります。嘔吐を伴うことはありません。肩や首の筋肉の緊張が主な原因でコンピューターの前に長時間座っているような人に多く、また精神的ストレスも緊張型頭痛の原因になるため休憩をとるなど、ライフスタイルの改善でよくなることもあります。


薬剤の使用過多による頭痛(MOH)

頭痛を抑えるための鎮痛剤を使いすぎることによって引き起こされる頭痛です。薬剤の使用過多による頭痛は市販薬でも処方薬でも起こり得ます。
痛みに対する不安から、頭痛が起こる前から薬を飲んだり、頭痛が無いのに漠然と薬を使用したりすることで、薬の効果が弱くなり、その結果さらに頭痛が悪化するという悪循環を起こしているのです。
以下のすべての条件を満たす場合、薬物乱用頭痛と診断されます。

  • 頭痛性疾患のある人に、月に15日以上頭痛がみられる。
  • 頭痛を和らげるために、1つまたは複数の薬を普段から過剰に服用しており、その状態が3カ月以上続いている。
  • 症状をうまく説明できる頭痛性疾患が他にない。
  • 月に何日服用すれば薬物乱用とみなされるかは、薬の種類によって以下のように異なります。
  • エルゴタミン、トリプタン系薬剤、オピオイド、または複数の頭痛薬を併用する場合は、月に10日以上
  • アセトアミノフェン、アスピリン、またはその他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は、月に15日以上

他の病気の可能性を否定するために一度頭痛外来を受診することをおすすめします。

頭痛の治療方法

片頭痛の薬物療法は目的により「急性期治療」と「予防治療」に分けられます。

急性期治療

急性期治療は痛みが起こったときに症状を抑える方法です。

  1. アセトアミノフェン
  2. 非ステロイド系抗炎症薬
  3. エルゴタミン製剤
  4. トリプタン系薬剤
  5. 制吐薬

予防治療

予防治療は片頭痛発作が起こるのを減らす方法です。
そして片頭痛発作の頻度や症状の程度、持続時間を減らしたり、急性期治療の反応を改善させたりすることです。

  1. 抗てんかん薬(バルプロ酸)
  2. β遮断薬(プロプラノロール)
  3. カルシウム(Ca)拮抗薬(ロメリジン)
  4. 抗うつ薬(アミトリプチリン※)

片頭痛の予防注射

これまで、片頭痛の予防治療は内服薬では十分な効果が得られないほか、副作用などの問題があり、十分な治療が行われているとはいえませんでした。

現在、片頭痛の病態にカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が関わっており片頭痛の予防注射として、抗CGRP抗体やCGRP受容体に対するモノクローナル抗体があります。日本で使える注射タイプの片頭痛予防薬は「エムガルティ」「アイモビーグ」「アジョビ」の3種類あり、当クリニックではすベてを扱っております。
CGRP製剤を使用して片頭痛の症状が落ち着いている方は自宅で自己注射を行なっていただくこともできます。

なお、最適使用推進ガイドライン(厚生労働省)を遵守するため、以下の全てを満たすことが必須です。

最適使用推進ガイドライン

  1. 医師に片頭痛と診断されている方(片頭痛とそれ以外の頭痛疾患を鑑別されていることが必要になります)
  2. 片頭痛が過去3か月以上にわたり、平均して1か月に4日以上起きている。
  3. 従来の片頭痛予防薬の効果が不十分、または副作用により内服の継続が困難である。
  4. 睡眠、食生活の指導、適正体重の維持、ストレスマネジメント等の非薬物療法及び片頭痛発作の急性期治療等を既に実施しているが、
    それらの治療を適切に行っても日常生活に支障をきたしている。

その他

  • 妊娠中・授乳中は、十分検討した上で「慎重投与可」
  • 成人から「使用可」

以上、片頭痛にはさまざまな治療法があります。自分の症状や生活への支障度について教えてください。
そして最も適した治療法をみつけることが「片頭痛コントロール」の第一歩となりますのでお気軽にお越しください。

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